「ひとりひとりの社員が、クレドをもとに自分たちの行動指針を常に考えている… そんな会社ってすごいなって思ったんです。」

事業内容: 企画・デザイン
資本金: 1000万円
従業員数: 4名
所在地: 岡山県岡山市北区野田3丁目6-7
パックマート2階
URL: 株式会社ムーヴ
クレドカード

CREDO 私たちの信条

私たちは意匠入「魂」の企画提案とデザインを通じて
出会える全てのクライアントとその顧客とのマッチングを創造し、
双方の永続的利益を追求することを使命とします。

私たちはクライアントとの想いを共有し、
「夢」と「感動」が溢れる最高の販売促進プラン創りをお約束します。

私たちは、社員一人ひとりがイキイキと躍動し、
日本一個性が輝くプランニングハウスを目指します。

クレドベーシック

岡山市にある、のぼりなどの販促物を取り扱った店舗も経営するちょっと珍しい企画・デザイン会社、株式会社ムーヴ。
その代表である前田美則さん、社員の杉山さん、早川さんにクレド導入についてお話を伺いました。

―まずは、前田社長。株式会社ムーヴの事業を紹介してください。

メインとしては、デザインをベースにHP(ホームページ)の制作・販促物の企画提案を行っています。また、デザイン会社では珍しい店舗との併設が特徴です。従来は広告代理店や印刷会社さんの下請け的に、業界の中で仕事をしていたんですが、その向こう側にいる直接のお客様との仕事をしていきたいと思い、「店舗力」という店舗を始めました。
その理由として、デザイン会社や、HP制作会社に依頼するのは敷居が高いんじゃないかということを感じたのがきっかけでした。その敷居を低くするためにも、誰でも気軽に相談にきたり、実際に作られている他の会社の事例・サンプルをみたりできる店舗という存在が、エンドのお客様との接点を作り出すことに有効だと思ったからです。
今後はマーケティング力の強化を図り、お客様との信頼関係を重視した内容の濃い販売促進の提案をしていきたいです。5年、10年後は一つのショールームを持った、しっかりとしたキメの細かいサービスを提供できる組織体へなっていることが目標です。

店内商品店内商品店内商品

1.導入前

デザイナーの性格として個人プレイヤーの傾向が強い。それを何とか束ねたかった。

クレドとの出会い

―今回、導入することとなったクレドというものについて、どのように知りましたか。

前田社長

中小企業の多くが抱える問題は、「自分達のお客様とのコミュニケーションが十分でない」ことと考えています。自分達が提供するサービスをよく知っているお客様がきてくれていることが理想なんですけど・・・、いわゆるリピーター(固定客)というお客様のことです。今は新規や一見のお客様を狙って広告等を作っていることが多いんですよ。本当は「なんで自分たちの商品を気に入ってくれているか」を、知ってもらわないといけないんですが。
クレドと結びついたのはそこ。そんなことを日々考え、実際に私たちの会社を振り返ってみると、何で事業を続けてこれたのか、お客様は何を求めて仕事を頼んでくれているか意外とわかってなくて、模索の時期が2,3年ありました。自社の強み・特長を明確にしたいと必死でした。
そんなときにリッツカールトンのクレドに関する本に出会いました。その時です、初めてクレドというものを知ったのは。
その本では1節1節、1人ひとりの社員がクレドをもとに自分たちの行動指針を常に考えている。それがひしひし伝わってくるんです。すごい会社だなぁ、と思いました。リッツカールトンがすごいというより、そこで働く社員の気持ちがすごいんだな、と思いました。

―その本との出会いがクレド導入の大きなきっかけだったわけですね。

はい。クレドというものを知り、私たちも自分たちのクレドを持って、お客様一人ひとりから、信じきれないくらいの信頼をいただきたい、そんな会社になりたいと心から思いました。
ただ当時は自分で作ろうと思っていたんですよ。自分で本を買って、社内に投げかけて。理念の勉強もしていましたので、内容もそれほどわからないわけではないし。
でも、よくよく考えてみると社員一緒にクレドを作るときのイメージングがまだまだ具体化していないという現実がありました。
そんな時、オーディーエルさんがそういう事業を推進していると知ってお願いすることになりました。

皆の心を一つにしたい!そんな想いをかなえるクレドの導入

―導入しようと思ったのは、先ほどおっしゃっていたように「会社のよさを知るため」ですか?

それもあります。それ以上に、皆の心を一つにしていくための何かしくみが欲しかったです。
本来、デザイナーという職種は担当クライアントがいて、そこにデザインを提供する担当者という、一人ひとりがプレイヤーの組織なんですよ。だから、その個人プレイヤーの集まりであるチームを1つにまとめる為には、真正面から向き合える目標というか、目的というか、何か欲しいですよね。でないと、世の中に貢献できるものは何か、会社として生み出せる価値は何かといったことを会社組織に問うとき、意識の統一が図れない。各個人の見ている方向が違うわけですから。
それを何とか一つの方向にまとめようと試行錯誤しました。まずは会議で共通の目的を定めたり、それに向かっていこうとしました。次に数字的目標や集客の目標、自己目標の発表会とかやってみました。どれも失敗しましたけどね(笑)
自分の経営者としての力量、器を悲観的にとらえた時期もありました。根は明るい方なんですが、めちゃめちゃ苦しみましたね。そんなときでしたから、クレドにかける期待も大きかったです。
やはり、経営者は皆が勤めてくれている会社をよくしたい。将来に不安のない会社、やりがいのある会社、そんな会社にしていきたいと思っていると思うんです。経営者の一人として私も例外ではありませんよ。今は景気が悪い、業績が伸びない等と言われていますが、本当の意味で多くのお客様から信頼をしてもらえるサービスなり商品なりを提供している会社は、しっかりと形を残しています。今やるべきは会社の至らなさを反省し、今この一歩から今までと違う価値観、ビジョンをもつことと思い、クレドの導入を決めました。

信頼感 〜オーディーエルへの依頼〜

―そこでクレドの登場ですね。ただ、今までの失敗もあったわけですし、導入するのに不安はなかったのですか?

まったくなかったですね。というのも、オーディーエルの堀江社長は選択理論がご専門であるということを知っていましたし、弊社の採用活動を通して、ムーヴの中身を知っていてくださったから安心して任せられました。

―では、他社と比較することはなかったということですね。

一応、東京の会社を1社見たんですけど、同パッケージでかなり高額でして。資金面からも考慮しました。また、その東京の会社はかっこいいクレドは作ってくれそうだったんですけど、うちが求めるクレドにはならない気がして。オーディーエルさんなら、社員1人ひとりとも深く関わってお手伝いをしてくれるだろうと思いました。 一番の決め手はオーディーエルさんへの信頼感ですね。

2.導入・作成中

第三者の目がないとダメだと思いましたね。そうじゃないと感情論になってしまうんですよ。

クレドミーティングの様子

クレド=会社の姿

―クレドを制作するにあたって、最初はどういうところから始まるのでしょうか。

まずは、社員全員で何故今クレドが必要か、クレドが会社に何をもたらすか、という基本的な勉強会から入りました。また、心理学の観点からモチベーションのメカニズムを学んだ上で、そこからどんな会社にして、どんな貢献をしたいかというビジョンについての打ち合わせをしました。

初めに、企業目的、どんな会社を作りたいか、どんな社会貢献を果たそうと思っているか。つまり【ミッション・ビジョン・バリュー】の3つの点についての考えを抽出するんです。この時点で、自社の企業としての目的がわかっていなかったので困りました。

クレドというものは行動指針であり、社訓であり、追求する自己成長のイメージなんです。社長にはどんな人たちとどんな活動を通して、どんな成果を生み出したいかのイメージがあります。会社って基本的には社長がひっぱっていくものなんですが、それが「どんな会社にしたいか=どんな貢献をしたいか」でひっぱっていかないといけないと思うんです。この部分と社員間で課題共有をしていく中のキーワードを基に、質問シートが用意され、それに社員各人が考え、答えを出し、その中から抽出したキーワードを結び付けていき、1つの文章を作成していく。そうすることにより、皆の意見の重なり合う部分がクレドになっていきました。 お互い共通する価値観じゃないと一つになれませんから。だから質問の答えは皆で出し合いました。

話し合いの時は個人の価値観を押し通さないように注意

―社長と社員で考えが違ったということですが、クレドの内容を決める際に気をつけていたことはありますか。

まず、人の意見にNOは言わない。いい、悪いは個人の価値観なんで。また、個人の価値観は脇におきましょう、ということを約束にしました。これもオーディーエルさんの提案です。

―個人の意見ではなく会社として、お客様にとって何が重要となってくるかを考えて、どちらの意見がよりためになるかで決めていくということですね。

そうです。だから、うちのクレドは【個人の価値観は脇において】という文言が入ってくるんです。

3.完成・導入後

基準となる行動指針があるから、時間が経過してから分別がつけられるようになる。

得られた成果と今後の期待

―完成したときはどのように感じましたか。

いいクレドが出来上がってますよ!
これが現実のものになったら本当にすごい会社が出来るという希望や、イメージが湧いてきてわくわくしてます。僕にとってもハードルが高いし、本当にこれにチャレンジできることが生きがいのように感じられます。

―クレドの示されていることに基づいた行動を取れているかは、確認されていますか。

朝礼での唱和

今は月1度のクレド浸透ミーティングを行っています。そのときに自分たちはどのクレドが出来ていて、どの部分が出来ていないか自己評価を含めて話し合いをします。出来れば、日々の中で確認できたらいいんですけどね。例えば朝礼のときに、誰かが気がついたことを言うとか。今後は毎日の朝礼、会社のちょっとしたコミュニケーションの中で、クレドが元になった話が出来るといいですね。

―クレドが与える影響はどんなものがあると思いますか。

今はまだ、クレドについて考える機会が出来たというところ。このことで、意識が傾いてきはじめ、自分たちのとっている行動や思考がクレドに沿っているか判断できるようになってきました。

―基準がはっきりしてきたということですね。

そう!それが一番よかったことだと思います。社長が言っていることって曖昧だったり、案外基準がなかったりするんですよ。社員同士でも基準を持っていないことが多いですし。そういう部分で、基準となる行動指針があるから、時間が経過してからも分別がつけられるようになるんです。
また、社員間のコミュニケーションもだんだんうまくいくようになるのかなって。
うちのクレドは「関わり方」が基本なんですよ。今、新入社員二人と2週間に一度食事会をしているんですが、これも僕にとってのクレドなんです。その場でクレドを元にこういうことをやっている、こんなことを感じたって会話が出来るようになれば、クレドが浸透してきたことになるのかなと思っていますね。
僕はその場を作っていかなきゃ(笑)

―社員の皆さんに今後どういうことを期待していますか。

まず日常的なところ、例えば挨拶の仕方、お客様との関わり合い方などの目に見える部分から動いていって、そこから全てが実践できるようになっていけたらいいと思います。社長の理想の会社と、社員皆の理想の会社のイメージが合致するように200%クレドを活用して欲しいです。クレドの実践の先に理想の実現がありますから。

オーディーエルのフォローアップ

―完成後、オーディーエルの対応はどうですか。

この7月に、クレドを導入した社長が集まって、運用に当たっての問題を解決する会議が行われるんですよ。作用しづらい要因とか。そういったところで、フォローアップを行ってくれますね。

―今後のオーディーエルへの期待・要望はございますか。

会社の中は社長が一番わかっているようで、実は社長が一番わかっていないんですね。で、僕らがわかっていない部分をオーディーエルさんの外部サポートでしっかりしていただけると嬉しいと思っています。
クレドを維持していくのも結局はモチベーションなんですよ。このモチベーションも本来は社長がぐいぐい引っ張っていければ一番いいんですけど、できないようなときにオーディーエルさんのようなモチベーションアップを訴えるセミナーとかを活用させていただくとか。社員がセミナーに行って帰ってくると「もう一回クレド唱和しましょうよ!」と言ってくれるぐらいパワーアップして帰ってくれると嬉しいじゃないですか。そういう部分にはかなり期待しています。
そういったフォローをしていただけるのは、実際に一緒にクレドを作ってくれたオーディーエルさんしかないと思っているので、モチベーション、意識改革などの面で期待です!

研修風景

デザイナーの性格として個人プレイヤーの傾向が強い。それを何とか束ねたかった。

出来上がったクレドを見て

朝礼での唱和

少し専門的な言葉が多かったかな、と。クレドを作っている自分たちはもちろん内容を理解できているのですが、お客様に内容が上手く伝わるのかな、と少し気になっていますね。 普段僕は事務所内で仕事をすることが多いので、お客様との直接的なやり取りする機会が少なく、実際に試せていない項目があります。なので、例えば電話対応のことだとか、事務所内でも実行できるベーシックが1つあってもいいかな、と完成した後から思いました。 しかし、そういったお客様とのやり取りに関してのクレドベーシックを盛り込んでいるわけですし、意識して動いていけると思います。 また全体的にみても、会社での成長目標ができて良かったと思います。

実際の活用方法

毎日の朝礼でクレドの唱和を行っています。毎朝欠かさず続けることで、クレドを忘れない、常に意識できる。肌身離さず持っていてもお互いが確認し合ったり、意見交換する機会が無ければ意味がないと思います。継続が大事だと思います。

影響・変化の兆し

まだクレドを導入して1ヶ月程で、すべてのクレドを実行できているとは言えない現状ですが、確実に意識は向くようになっています。クレドベーシックには1つ1つ「行動」が必ず書いてあるので、目標がわかりやすくなりました。
スタッフ同士の「絆」を深める5つの約束は、会社で働くスタッフ皆が気持ちよく仕事をしていくことができる良い基本行動だと思います。これを意識するようになり、自分の仕事だけでなく、周りのスタッフの仕事やその状況などにも気がまわせるようになってきたような気がします。

今後の抱負

一番は、スタッフ間・お客様との関係において仕事のしやすい環境を保てればいいな、と思います。いままで、僕はお客様と触れ合う機会が少なかったのですが、今後増えていくと思うので実践できる部分も増えると思います。
最初は1つずつ実践していって、最終的には皆が全部を出来ているようになったらいいですね。クレドに沿って会社も自分も成長していけるように頑張ります。

―ムーヴの皆様、本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。


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